カエルの王さまの考察

蛙化現象の元ネタ「カエルの王さま」の解釈を考察する

自分が好きな人でも、その人から好意を寄せられると気持ち悪いと感じてしまう

好きな人を拒絶してしまう、好きな人を傷つけてしまう、結果的に失恋する

あまりにも辛すぎる「蛙化現象」

「蛙化現象」の名前の由来は、グリム童話の「カエルの王さま」から来ています。

では、このカエルの王様とはどういう話か?について紹介します。

カエルの王さま あらすじ

ある日、王女様は小さな頃から大切にしていた鞠を、森のなかで無くしてしまいます。

大事だった鞠を無くして途方に暮れていたところに、一匹のカエルが現れました。

カエルは「今夜私と夕食を共にし、ベッドを共にしてくれると約束して頂ければ、私が鞠を探してきましょう」と申し出ます。

王女様は、いきなり恩を売ろうとしてきた醜いカエルに嫌悪感を覚えますが、鞠が惜しかったのでカエルの提案を了承します。

すると喜んだカエルは意気揚々と森の中へ鞠を探しに行き、見事王女様の鞠を見つけ出してきました。

王女様はカエルから鞠を受け取ると、礼も言わずに醜いカエルを退けてお城に帰ってしまいます。

その夜、王女様が父親である王様と夕食を食べていると、先程のカエルが現れて「約束を守ってくれ」と訴えます。

何事かと思った王様は、カエルから事情を聞くと、王女様に対し「約束したのなら守りなさい」と諭します。

王女様はカエルに嫌悪感を感じながらも、嫌々夕食を共にします。

その後、王女様が自分の寝室に戻ると、再びカエルが現れて「約束を守ってくれ」と訴えました。

今度は王女様も強く嫌がりますが、王様は「約束したのなら守りなさい」と王女様を説教し、王女様は渋々カエルとベッドを共にします。

しかし、醜いカエルがベッドに入ってくると、王女様はついに耐えられなくなり、カエルを掴んで壁に叩きつけてしまいます。

壁に打ち付けられたカエルは、痛みで床に突っ伏して苦しみにもがいています。

その姿を見て王女様はさすがに罪悪感を感じ、傷ついたカエルを労るように抱きかかえます。

すると突然、カエルにかかっていた魔法が解けて、カエルは王子様になりました。

王子様は王女様に求婚し、ふたりは結婚して幸せに暮らしました。

カエルは王さま どう解釈すべきか?

童話の「カエルの王さま」は、以上のようなお話です。

「カエルの王さま」じゃなくて「王子さま」やんけ
と突っ込みたくなりますが、それはまあ置いておきましょう。

具体的に、この話がどうして「蛙化現象」の元ネタになったかを考えていきます。

王女様 勝手すぎる

冷静に考えると、この王女様はけっこう酷いことをしています。

そもそも鞠は子どものおもちゃであり、「幼稚性の象徴」とも言えます。

その鞠を森で無くしたのは、完全に王女様の自己責任です。

にもかかわらず、それをカエルに探してこさせた挙げ句、何の礼もせずにカエルを拒絶してしまいます。

確かに、ベッドを共にしてくれと要求するカエルはキモいですが、それを拒むなら鞠を探してくるという親切も断るべきです。

要するにこの王女様は
「カエルに一方的に親切にしてもらうだけで、自分からは何も返そうとしない」
という自分勝手さ、幼稚さが見て取れます。

父親である王さまも、それを見抜いていたからこそ、娘に対して「約束したのなら守りなさい」と説教をしたのです。

王さまにはカエルが王子様だとわかっていた?

「カエルの王さま」の中では、そもそも何故王子様がカエルになる魔法をかけられていたのかが全く言及されていません。

それがおとぎ話と言われればそれまでですが、個人的な考えを言わせてください。

王子様は王女様にとってカエルに見えていただけで、王さまはカエルが王子様だとわかっていたのでは無いでしょうか?

王子様は王女様と仲良くなりたくて、鞠を探してくると申し出た。
そのかわり、私とも仲良くしてくださいと要求したのです。

王女様の幼稚性の呪い

王女様は、鞠を探してきてほしいとは思うが、自分からはカエルに何も与えたくない。

こう書くと王女様がとんでもない自分勝手のように見えますが、もしかしたら王女様は自分に自信がなかったのかも知れません。
王女様がカエルを拒絶してしまったわけは、前回の記事で挙げられた「蛙化現象の原因」のうちのどれかでしょう。

関連記事

蛙化現象とは?好きになられると気持ち悪いの原因

・自分に自信が無い
・自分の内面に踏み込まれたくない
・カエルへの不信感
・性的イメージへの嫌悪感

これらの要因から、王女様はカエルを拒絶し、ついには壁に叩きつけてしまいます。

壁に叩きつけられたカエルは、痛みで苦しみもがき、それを見て罪悪感を感じた王女様がカエルを抱きかかえたら、魔法が解けて王子様が現れた。

これは王女様がはじめて、カエルに慈悲を「与えた」瞬間です。

自分からは何も与えたくない、与えられないと思っていた王女様の「幼稚性の呪い」によって、理想の王子様は醜いカエルに見えてしまっていたのです。

蛙化現象の克服は、相手に寄り添うこと?

王女様が傷ついたカエルに罪悪感を感じ、カエルに寄り添った事で呪いが解け、理想の王子様と結ばれる事ができたのです。

ここに蛙化現象の克服のヒントがあります。

蛙化現象の最も辛い点は、自分が好意を寄せていた、好きな人を激しく傷つけてしまう事です。

・好きな人から好かれたくて、こっちからアプローチする
・相手もこちらを意識しだして、好意を抱いてくる
・相手がその好意を告白してきたら、一気に気持ち悪くなって逃げてしまう

冷静に考えると、とんでもなく非人道的な思わせぶりと言わざるを得ません。

こんな事をされたら、女性不信になってもおかしくないでしょう。

それをわかっているから蛙化現象は辛いのですが、それを「自分が辛い」と自分の辛さだけしか考えていないうちは、なかなか克服できません。

傷ついた相手の気持ちに寄り添う、勇気を出して告白してくれた相手の気持ちを感じる。

王女様が傷ついたカエルに寄り添ったように、相手に「与える」「受け入れる」という勇気を持つことが、蛙化現象の克服のヒントになりそうですね。

ブログランキング参加中
役に立ったと思ったらポチッとお願いします!

合わせてこちらも読まれています♪